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2014年12月のブログ一覧

 

今日は大みそか。
今年も一年間、ほんとうにありがとうございました揺れるハート

来年もどうぞよろしくお願い申し上げますほっとした顔

 

さて、年を越す前に、前回の続きを書いておきますね。

 

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心地よい感覚、たとえば、あたたかい、ゆったりしている、安心した、落ち着いた・・・
などでしたら、ただそれを感じていればよいのですが。。。

不快な感覚とつきあうには、ちょっとしたコツがあります。

 

その前に、不快な感覚とは、たとえば・・・

かたい、冷たい、痛い、怒りの感覚、悲しみの感じ、しびれたような、マヒしたような、
ざわざわする・・・などなど。
ほかにもいろいろありますし、もちろん人によって違います。

 

「痛み」や「怒り」などは、わかりやすく不快なものですが、中には、はっきりしないものもあります。

たとえば、「じんじんします」とか「腕に重さを感じます」などという感覚は、それが不快なものかどうかはご本人にたしかめなければわかりません。

 

そんなとき、私はよくこんなふうにお尋ねします。

  「それはざっくり3つにわけると、心地いい? それとも不快? それともニュートラル?」

 

そして、その答えが「不快です」だったときは、さらにこうお尋ねします。

  「それは、楽に観察していられるくらいのもの?」
  「それとも、あまり感じていたくない?」

 

そうすると、SEに慣れている方ですと

  「大丈夫、観察できます^^」とか、
  「これはちょっとイヤですね」とか
  「感じていると、強くなってきそう」 

などと、教えてくださいます。

 

楽に不安なく観察していられる場合、観察を続けてもらいます。

 

そのとき、私はよくこんなふうにお伝えします。

  「じゃあ、それを観察してみましょうか」
  「でも、そこだけに注目する必要はありません」
  「足の裏やお尻が椅子や床についているのを感じながら、注意をふわ~っと全体に広げて
   くださいね」
  「そうしていると、次はどうなるか、待ってみましょう」

 

ここでのポイントは、

・そこだけに注目せず、注意は広く全体に。
・足の裏やお尻を感じることで、安定感も同時に感じる。

ことなんです。

 

これは、不快な感覚に注意を一点集中し続けることによって、その感覚がどんどん強まり、
広がって、手におえなくなるのをさけるためです。

注意を身体感覚に向けながらも、その不快感に飲み込まれてしまわないための工夫です。

 

こうしていると、たいていの場合、その感覚は次の新たな感覚に変化していきます。

そうしたら、また楽に向き合えるようになりますから、無理なく解放に向かっていけるわけです。

 

一方、その不快な感覚に、これ以上注意を向けない方がよいときというのは、
そうすることでそれに飲み込まれる可能性がかなり高いときです。

 

たとえば、以下のような場合。。。

・その感覚が不快すぎる、または強すぎる、または広範囲すぎる。
・それを観察し続けるのは、ちょっと不安、またはこわい。
・ 観察し続けていると、その不快感がどんどん強まる感じがする。
・だんだん身体がかたまったり、手足が冷たくなったり、頭がぼ~っとしたりしてきた、など。

 

上のどれか1つでもあてはまる場合のおすすめは、さっさと退避、退却、撤収~!なんです。
つまり、逃げる!

「え、逃げてもいいんですか?!」そうおっしゃる方もおられますが、

はい、逃げてもいいんです。
むしろ、さっさと堂々と一緒に逃げましょう!(笑)

 

というわけで、今までは身体感覚、つまり身体の内側に向けていた注意を、さっさと身体の外側へと
向けかえてしまいます。

 

身体の外とは、つまり環境。
これは、見えるもの、聞こえるもの、においなどです。

 

注意を内から外へと向けかえていただくために、私はよく

  「ゆっくりまわりを見てみましょう」

とお誘いします。

  「今、この部屋で楽に目に入ってくるものはなんでしょう?」
  「見ていて心地よいものが何かありますか?」
  「何かふと目にとまるものがあるでしょうか?」

などとお聞きします。

みなさん、

  「目の前の植物です」とか
  「あそこのぬいぐるみと目があいました(笑)」

とか、教えて下さいます。

そうしたら、それを一緒にながめます。
それについて少しおしゃべりをすることもあります。

  「この植物、元気によく育ってますね」
  「そうなんです、ずいぶん背が高くなったでしょ?」とか

  「あのぬいぐるみ、前からありましたっけ?」
  「つい最近買ったばかりの新入りなんですよ」

などと。

 

実は、人と会話をするという行為は、身体の内側に注意を向ける行為のまさに対極。

ただまわりを見るという以上に、積極的に外の世界と関わる行為なのです。

ですから、まわりを見たり、さらに私と会話をたりしているうちに、注意が自然に外に切り替わっていくのです。

 

そうしながら時間を過ごしていると、たいていの場合、不快な感覚は消えていたり、
弱くなっていたりします。

 

また、ただ不快感が消えるだけでなく、不快感が起こる前よりも、もっと落ち着いていたりします。

 

 

一度起こった不快感に飲み込まれることなく、落ちつきを取り戻すことができたとき、
私たちの神経系の刺激に対する許容量は、ちょっとだけ大きくなっています。

ちょっとだけ、前よりも自分の中に生じる不快な刺激を感じても大丈夫になっているのです。

 

あのとき、逃げたからこそ得られた変化です。

いったん退却してゆっくり落ち着く・・・

これを繰り返しているうちに、神経系の許容量はますます大きくなっていき、
トラウマエネルギーを解放をするための準備がととのっていくのです。

 

おわり。。

Spring snowdrop flowers

 

 

 


カウンセリングルーム・フィーレストの日高潤子です。


2015
21日(日)、2日(月)
2日間、久しぶりに名古屋にうかがい、
ソマティック・エクスペリエンスの出張セッションをご提供できることになりましたので、
ご案内です。

 

ソマティック・エクスペリエンスとは・・・

身体の感覚に注意を向けて、そこに起こってくることをただ起こるままに観察し続けることで、過去の出来事から生じた症状を解放していくトラウマ・セラピーです。

うつ、パニック発作、慢性疲労、過敏な腸の症状、生きづらさ、あがり症、強い緊張感・・・
などでお困りの方にご利用いただき、喜ばれています。

また、特に症状はなくても、より地に足のついた落ちつきを求めておられる方、より自由に自分を解放したい方などにも好評です。

 

臨床心理士、医師、看護師、各種セラピストさんなど、プロからも信頼され、ご利用いただいているフィーレストの個人セッションです。

この機会によろしければぜひどうぞ。

お久しぶりの方、はじめましての方、名古屋でお目にかかれますのを楽しみにしています。

 

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日 時(セッション枠):

21日(日)
①13:00
 ②14:30 ③16:00 ④17:30 ⑤19:00

22日(月)
⑥13:00
 ⑦14:30 ⑧16:00 ⑨17:30 ⑩19:00

 1セッションは50分ですが、初めての方は延長する可能性があります。
   お時間に余裕をみてお越しください。延長した場合も料金は変わりません。

 午前中をご希望の方はお問い合わせください。ご相談に応じます。

 

場 所:
癒しのレンタルスペース 菩提樹の木漏れ日
場所 名古屋市千種区今池5-9-9
Tel  052-241-1938
地図 http://www.bodaiju-healing.jp/access/index.html

 

セッション料金:
1セッション 12,000円(通常とことなる出張料金となっております)

 

お申込み方法:
以下をご記入の上、info@feerest.com までメールでお申込みください。

  ① お名前 
  ② お名前のフリガナ 
  ③ 当日連絡のつく携帯番号 
  ④ ご希望のセッション枠を第三希望まで 
  ⑤ 初めての方は、ご相談内容を簡単にご記入ください。

いただいたメールには3営業日以内に返信を差し上げます。
(日曜・月曜定休、12/29~1/9は年末年始休)
それを過ぎても返信が届かない場合は、迷惑フォルダをご確認いただくか、受信拒否などの設定を解除の上、お手数ですが再送をお願いいたします。

 

それでは、ご縁ある皆さまとの出会いを楽しみにお待ちしております。

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カウンセリングルーム・フィーレスト 日高潤子

シャクヤク


 

ソマティック・エクスペリエンスのセッションでは、クライエントさんにご自分の身体の感覚を

観察してもらいます。

 

私はそのやり方を説明するのに、よく

「川のほとりにいる人のように」

といっています。

 

川の水面をきれいなもみじが流れてきても

レジ袋のようなゴミが流れてきても

まさかの1万円札が流れてきても(!)

ほとりにいる人は、ただそれらをながめるだけ・・・。

 

きれいなもみじがきても、「もっとたくさん来ればいいのに」と期待もしないし

レジ袋をみて、「だれだ! ゴミを捨てたのは!」と怒るわけでもないし

1万円札が流れてきても、拾いに行ったりもしません(笑)。

(いや、これは行きたいですが、拾いに)

 

ただ、流れに乗ってやってくるものが、流れに乗って去っていくのを見ているだけです。

 

これと同じことを、身体を通り過ぎていくさまざまな感覚に対してもやってみるのが

ソマティック・エクスペリエンスのセッションなのです。

 

おなかがあたたかくて気持ちよい感じも

肩こりの痛みも

焦ってソワソワする感覚も・・・・

 

「これはよいもの」とか、「これは悪いもの」などと判断せず

「もっと増えてほしい」とか、「なくなればいいのに」と期待もせず

「ああ、ここにあるなあ」「こうしてながめていると、次はどうなるのかなあ」と

ただ観察します。

 

少し余裕があるなら、その感覚にたいして

「そこにいていいよ」

「気づいているからね」

と話しかけるようなイメージでながめてみます。

 

そうすると、自然な身体のはたらきによって、終わっていなかった過去、

つまり、ソマティック・エクスペリエンスでいう「未完了」の過去が

「完了」にむかって動き始めるのです。

 

そのプロセスは、さまざまな感覚の連続によって進んでいきます。

 

そうはいっても、不快な感覚を感じるのはつらいですよね。

ですから、不快な感覚の観察にはちょっとしたコツがあります。

 

別にひっぱるつもりはないのですが(笑)、長くなりそうですので、

それについてはまた別に書きますね。

 

ブログ図 観察川


 

部下に八つ当たりしてしまった。

言うことをきかない子どもを厳しく叱りすぎちゃった。

幸せそうな友だちについつい意地悪なことを言ってしまった。。。

 

そんなときは、目の前の部下や子どもや友だちではなく

ご自分の心に目を向けてみてもらえたら・・・と思います。

 

自分を責めたりしないで、ただしずかに自分の心をながめてみると

そこには、何があるのでしょう。

 

たぶん一番表面には、部下や子どもや友だちへのイラだちや怒りや嫉妬が・・・。

 

でも、もう少しまっすぐにその奥をみてみると、どうでしょう。

 

その奥には、「苦しいよ」「助けて」というSOS、心の叫びがあるのではないでしょうか。

 

目の前の人にむかって、思いがけず激しくふき出してしまった感情は

じつは、わたし自身の「助けて」という叫びが、少しねじれた形で表現されてしまっただけでは

ないでしょうか。

 

よかったら、そこで立ち止まらずに、さらにその奥を見てみてほしいのです。

 

「助けて」というSOSのさらに奥には、

ただただ、「元気でいたい」「幸せでいたい」「人とつながりたい」「愛を経験したい」という

純粋で自然で素直なおもい、願いがあるのではないでしょうか。

 

 

よかったら、ご自分の心の表面が引き起こした行動で、ご自分を責めるのをやめてみてください。

 

そして、心の奥の奥にアクセスしてみてください。

 

やり方はシンプルです。

 

大好きな人、大好きなこと、大好きな場所、大好きな愛犬や愛猫・・・のことを

心に浮かべてみるのです。

 

今は症状でできなくなっているとしても、以前大好きだったこと、たとえばダンスでも、歌でも、

絵を描くことでも、仕事でも・・・

そして、それをしていた生き生きとしている自分、楽しそうに笑っている自分、元気に走り回っている自分・・・

 

それを思い出してみるのです。

 

 

ほんとうに不思議なのですが、ただ思いだし、心に思い浮かべるだけで、何かが変わりはじめます。

 

身体があたたかくなったり

涙が出てきたり

心がやわらかくなったり

「なんでこんなにイライラしていたんだろう」ときょとんとしちゃったり

「そうだ、私これが好きだったよな」となつかしく思い出したり・・・。

 

もしかすると、そこからまた次の気づきへ、次の発見へ、次の変化へ・・・と

つながっていくかもしれません。

思い出した好きだったことを、またやり始めてみるかもしれません。

 

 

そんなふうにしてアクセスできた心の場所は、心の奥の奥に今もいてくれている

本当の自分、元気さや幸せや喜びを知っている自分、なのではないかと思うのです。

 

 

私はセッションのたびに、いらしてくださる皆さんの

心の奥の奥の本当の姿を見せてもらっているんだなあと思うのです。

 

 

葉

 

 

 


 

昨日、ふとこの言葉が浮かんだので・・・。

 

ソマティック・エクスペリエンスの創始者、ピーター・リヴァインの言葉の中で

私の大好きなものです。

 

「誰もあなたのプロセスを代わりに体験してあげることはできない。

 けれども、誰ひとり、それをたった1人でしなければならない人はいない」

 

口から口に、伝え聞いたものですので、細かいところは私なりの表現ですけれども、

思い出すたびに胸のあたりがあたたかくなる言葉です。

 

30年以上のたゆまぬ実践と研究によって、多くの人を救ってくれているピーター・リヴァイン。。。

彼のことを思うたび、伝えたい思いはただこれだけです。

 

ほんとうにありがとう。

 

 

ロウソクと蘭の花

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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